人権擁護法案は、差別や虐待などで人権を侵害された場合の救済手続きを定める法案で、2002年に国会に提出されました。
しかし、メディア規制の条項など批判され翌年に廃案になっています。
政府は今年再提出を目指しましたが、人権侵害の定義があいまいで、人権侵害を調査する人権擁護委員の選任に国籍条項がないなどと、反対論が出て提出を見送っています。
鳥取県では議会の議員発議で人権侵害被害救済・予防を目的とした「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」が全国で初めて制定されました。
国の人権擁護法案を先取りした形で、来年6月から施行される見通しです。
この鳥取県の人権条例は人権擁護法案同様かなり危険な要素を含む内容で、マスコミからも問題視する声が上がっています。
例えば、私がある人の人種や信条について誹謗・中傷して差別し人権侵害を行ったと、被害者が人権侵害救済推進委員会に救済申し立てをしたとします。
知事任命のこの人権委員会は私に加害者として事情聴取や情報提供を求めます。
これを拒むと私は5万円以下の罰金が過料されます。また人権侵害をやめるようにとの勧告に従わなかった場合はその旨を公表できるとしています。
名前が公表された私は家族も含め名誉や社会的信用を失墜することになります。反対に人権侵害者が行政機関の場合は協力要請を拒否できるとしており、民には強く官には弱い条例です。
この条例は人権委員会の権限が強すぎることやまだ沢山の問題点を抱えています。
また、鳥取県弁護士会は「憲法違反の恐れあり」と声明を出しています。
このような欠陥を抱えた鳥取県の人権救済条例が施行されることに対し知事の見解を問いました。
知事は、現在国で議論が進められている人権保護法案の趣旨を先取りしたものと考えるが、人権侵害の定義や救済推進委員会の独立性や権限について議論となっていると承知、国における法案の検討の推移を見守りたいと答弁でした。
指摘:人権を守る法律によって人権侵害を受けることが懸念される。問題点解決まで十分な議論が必要であることを、国に強く求めるべきと指摘しました。 |